隆将さん ちょっとそれは違うんじゃないの?
ジャーナリストで作家の門田隆将さんの講演を聴講してきました。
多くの点でうなづけましたが、積極財政政策については「ちょっとそれは違うんじゃないの?」と思いました。
門田さんは高知県出身
「門田隆将」はペンネームです。
そして高知県安芸市出身です。
この日は出身の安芸市での講演ということで、安芸第一小学校の同級生がたくさん参加していました。
「そこまで言って委員会」では、歴史や現状認識において深い造詣を持ち、気骨のある意見を披露しています。
どんな話を聞けるか楽しみにしていました。
多くの切り口で問題提起、そして、門田さんの意見を聞くことができました。
多くはうなづけるものでしたが、積極財政政策については「それはいかがなものか」と思いました。
次は門田さんの講演の(私の勝手な)要約です。
日本のGDPはここ20年間、ほとんど伸びていない
2000年から2017年までのGDPの成長率で、日本はワースト4位。
伸び率はなんと0.997!
つまり、まったく成長していないということ。
ワースト1はリビア、2はソマリア、3はシリア。
この3国は1を大きく下回っている。
これらの国はいずれも内戦で国内が乱れていた国々。
伸び率はなんと0.997!
つまり、まったく成長していないということ。
ワースト1はリビア、2はソマリア、3はシリア。
この3国は1を大きく下回っている。
これらの国はいずれも内戦で国内が乱れていた国々。
日本は、内戦をしている国々と肩を並べるGDPの推移なのだ!
GDPの伸びがないのは、完全に財政瀬策の失敗
世界の経済学教室では、日本の事例を次のように説明している。
日本の政治は安定している。
日本人は麻薬もしないし、アルコール中毒者も少ない。
勤勉で長時間労働もいとわない。
それなのになぜ、GDPがのびないのか?
それは財政政策の失敗があったから。
財政政策に失敗の具体例として世界の経済学教室では取り上げられている。
日本の政治は安定している。
日本人は麻薬もしないし、アルコール中毒者も少ない。
勤勉で長時間労働もいとわない。
それなのになぜ、GDPがのびないのか?
それは財政政策の失敗があったから。
財政政策に失敗の具体例として世界の経済学教室では取り上げられている。
赤字国債に怯むことなく積極的な財政政策を!
財務省はプライマリーバランスの呪縛に囚われている。
自国通貨建てで、自国内で消化できる国債がデフォルトすることはない。
どんどん国債を発行し、積極的な財政出動をするべきだ。
自国通貨建てで、自国内で消化できる国債がデフォルトすることはない。
どんどん国債を発行し、積極的な財政出動をするべきだ。
以上が、門田さんの分析と意見です。
これに対し、私は「ちょっと違うんじゃない」と思います。
以下は、私の意見です。
積極財政をしたらGDPが伸びるのなら、高成長率の諸外国の債務比率はなぜ低いのか?
日本は、毎年、財政赤字です。
歳入の3分の1は公債費、つまり、借金です。
債務のGDP比は200%近くになりました。
積極的な財政政策の結果と言わざるを得ません。
一方、GDPの成長率の高い国の債務は多くありません。
債務が増える原因の財政赤字について、EUはGDPの3%以下と厳しい基準を設けています。
それでも、成長しています。
日本がこれほど毎年、財政赤字を出し、赤字国債で埋めながら積極財政政策をとりながら成長しないのか?
日本のGDPが伸びなくなったのは、非正規雇用の拡大が根本原因
非正規雇用、派遣社員の業域の拡大により日本人の雇用は終身雇用から大きく変わりました
当時、派遣社員の職域拡大について次のように説眼していました。
「一人一人の生き方に合わせた働き方を提供する。」
併せて、「このままの高い給与体系では、安い賃金の外国との競争に負けてしまう。」
数十年経ち、
日本は給料の伸びない国
ワンコインでランチを食べることができる国
そして、
大企業は高収益を続けている国
当時、派遣社員の職域拡大について次のように説眼していました。
「一人一人の生き方に合わせた働き方を提供する。」
併せて、「このままの高い給与体系では、安い賃金の外国との競争に負けてしまう。」
数十年経ち、
日本は給料の伸びない国
ワンコインでランチを食べることができる国
そして、
大企業は高収益を続けている国
になりました。
派遣社員の職域拡大の思惑が見事に実現できたと言わざるを得ません。
企業は先進国の中で最も安い人件費で利益を出せます。
居心地がいいのでしょう。
革新的なアイデア、製品にチャレンジする必要がありません。
居心地がいいのでしょう。
革新的なアイデア、製品にチャレンジする必要がありません。
今までの経営の延長線でいいのです。
高齢の経営者が、居座り続けているのも不思議ではありません。
結婚し、子育てをする家を建て、将来に希望を持てる。
いつの間にか、日本は当たり前のことが難しい国になってしまいました。
赤字国債は継続性の議論ではない それが当たり前になることが怖い
「赤字国債」と聞き、最初のころは「どきっ」としてものです。
「赤字国債の日銀引き受け」と聞いて、「そこまで来たか!」と思ったものです。
しかし、今は、「赤字国債」「日銀引き受け」と聞いても、危機感を感じなくなってきたようです。
「赤字国債は、いつかは返済をしなければならないから、プライマリーバランスが大事だ」と思っていても、毎年のように赤字国債を発行しても、大変なことになっていません。
「赤字国債を出していたら、高インフレになってしまう。早く、赤字国債を解消しなければ。」と思っていても、未だにインフレにはなっていません。
「国債の日銀引き受けは禁じ手だ」と言っていましたが、日銀が引き受けることが当たり前になっても、何も変わりません。
いつの間にか、
「赤字国債の赤字と言っても、誰っちゃ、赤字になっていない。」
「どんどん出したらえいやんか。」
の雰囲気になってしまいました。
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