2021年私の一冊は「土偶を読む」を挙げたいと思います
2021年もあと半月を残すばかりとなりました。これから年末にかけ、腰を据え本を読むことが難しくなります。2021年はまだ半月ありますが、そろそろ今年の一冊を決めてもいい頃でしょう。
2021年の私的一冊として「土偶を読む」を挙げたいと思います。
候補として頭に浮かんだ本は次の本たちです。
「三体Ⅲ死神永生」(劉慈欣、早川書房)
「土偶を読む」(竹倉史人、昌文堂)
「黒牢城」(米澤 穂信、KADOKAWA)
「なぜ北極に白クマはいないのか」(デニス・マッカーシー、化学同人)
「三体Ⅲ死神永生」(劉慈欣、早川書房)
ご存知の中国のSF「三体3部作」の3部目です。
2019年に「三体Ⅰ」を読んだときには驚きました。
話の展開が読めない。でも、科学史をなぞるように展開するエピソードにわくわくしました。
その後、Ⅱを読み、今年は完結編のⅢがでました。
楽しみにしていたⅢですが、その前の2部ほどわくわくしませんでした。
今年の一冊の候補からは外せません。でも、この一冊にはなりません。
「三体」を通して日本のSFの影響があるのではないかと思いました。
Ⅱの宇宙海戦の場面は、「銀河英雄伝説」を彷彿させました。
Ⅲの最後の場面を読んだとき、諸星大二郎の作品(漫画ですね。タイトルは不明。)が頭に浮かびました。仏教では弥勒菩薩が56億7千万年後に下生するとされています。56億7千万年後に覚醒した主人公が見た地球は、膨張した太陽の熱によって生命が途絶えた世界でした。諸星大二郎が描き出したその場面を連想してしまいました。
影響があるかどうかは作家本人に確認しないと分かりません。
私の感想と思ってください。
「土偶を読む」(竹倉史人、昌文堂)
これはブログで感想を載せています。
次のブログを参照してください。
「土偶を読む」を読みました。これからは、サトイモで蘊蓄を語らさせていただきます。 (taichanretiredlife.blogspot.com)
「黒牢城」(米澤 穂信、KADOKAWA)
KADOKAWAのHPで次の情報が掲載されています。
籠城の城内で起こる事件と、荒木村重と軍師官兵衛の心理戦が絡み合って一気に読むことができる本でした。
「なぜ北極に白クマはいないのか」(デニス・マッカーシー、化学同人)
この本だけは、2021年ではなく2011年に発刊された本です。
いままで、生物進化を時間軸でしか理解していませんでした。この本を読んで、生物の進化は大陸移動と大きく関係していることを、いや、大陸移動をもとに考えないと理解できないことを知りました。
また、個人的には、オーストラリアで適用放散した有袋類が、移入してくる他の大陸の同じような生態的地位にいる動物に”負けて“しまう理由を推測できる内容も記述されており、積年の疑問を解くカギを得たように思います。
この本を今年の一冊にしたいくらいです。2011年発刊の本なので、それは止めておくこといましょう。
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