トラとハナ(5) 秋風と共に寂しくなってしまいました

10数年前に我が家に居ついたトラとハナのお話の5回目、最終話です。










トラとハナ

我が家に居ついた2匹のネコどもは女房にはなついたものの、私にはまだなつきません。
それでも昼寝をしているトラに近づいても逃げなくなりました。
そっと手を出すと、うるさそうにしながらも手を乗っけてきます。
スーパーに行くと、ついミルクを多く買ってしまいます。
てんぷら(さつま揚げ)やちくわも、買い物籠に入れてしまいます。
いつの間にかネコに取り込まれているのかもしれません。

フーテンのトラ

でも、最近、トラが姿を見せません。
朝晩の食事が良いせいか食べ過ぎて太り気味だったトラ。
ひょっとしたら秋風に誘われて旅に出たのかもしれません。
へそ天のトラがふーてんのトラになったのでしょうか。


もう子ネコとは言えないほど大きくなったトラが・・・

先日のこと。
トラはヨド物置の下で死んでいました。
冷たくなったトラを持ち上げると、もう子猫とは言えないほど大きくなっていました。








いつも網戸の向こうに見えていた3角の耳

ウィスキーを飲みながら、何か食べるものはないか?と聞くと、ちくわが出てきました。
「トラにあげようと買っていたのにね。
トラにやると、我を忘れてふにゃふにゃ言いながら食べていたのに」の言葉にぐっと来ます。
いつも、網戸の外に座り、おねだりの鳴き声をあげていたのに、あの3角の耳も、あのトラ毛も見ることができなくなりました。
へそ天、ふーてん、昇天のトラ。


台風の後、ハナも姿を見せません。
畑で作業をしているとすぐ近くまで寄ってきて、こちらの様子をうかがっていたハナ。
甘えたいのに甘えることが苦手だったハナ。
どこに行ったのでしょう。






秋の気配と共に、急に寂しくなりました。

 

10年も前に作った文章を読み直しても涙が出てきました。
今思うと塩分の多いものを与えていました。
もっとネコのことを知って可愛がってやっていたらと思います。
現在の我が家にはゴマとモカの2匹のネコが居ます。
彼らが居てくれて随分と楽しませてもらっています。
確かに神様からの預かりものなのかもしれません。





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