そうだったんだ 絵金さん

 
あべのハルカス美術館で開催中の絵金展に行ってきました。

7月に行われる隣町の赤岡町の絵金祭りに何回か行ったことがあります。
あべのハルカス美術館で開催される絵金展は地元の絵金祭りほどではないだろうと思って出かけましたが、いやいや、充実した展示内容でした。




恐ろしいほど美しい 幕末土佐の天才絵師 絵金

あべのハルカス美術館で土佐の天才絵師 絵金さんの美術展が開催されています。















謎の天才絵師とも呼ばれる土佐の絵師・金蔵は、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風などを残し、「絵金さん」の愛称で、地元高知で長年親しまれてきました。同時代のどの絵師とも異なる画風で描かれた屏風絵は、今も変わらず夏祭りの数日間、高知各所の神社等で飾られ、闇の中に蝋燭の灯りで浮かび上がるおどろおどろしい芝居の場面は、見るものに鮮烈な印象を残しています。
本展は、高知県外では約50年ぶりの大規模展です。幕末の土佐に生き、異彩を放つ屏風絵・絵馬提灯などを残した「絵金」の類稀なる個性と、その魅力について、代表作の数々で紹介します。
以上 あべのハルカス美術館HP

前期展示を見に行ってきました

あべのハルカス美術館絵金展の会場入り口です。










展示は3つに分かれていました。

第1章は、「絵金の芝居絵屏風」を並べて展示していました。
私が「絵金」と聞いて想像する2曲1隻屏風の作品ですね。

第2章は「高知の夏祭り」と題し、県内に広く残っている数々の作品を展示していました。






この図は今年(2023年)4月に発行された絵金ガイドブックから引用しています。
この図には高知の夏祭りが紹介されています。
その夏祭りに絵金さんの屏風絵や絵馬が沢山登場するとのことです。
私はそのことを知りませんでした。
会場ではこの第2章は写真撮影ができました。
第2章の会場です。

香美市の八王子宮の夏祭りに登場する花台です。

中央の絵の両側に手長・足長の木彫があります。中国由来の妖怪だそうです。

土佐の芝居絵と絵馬台 – DESIGN LAB (designlab-kochi.info)
朝倉神社の夏祭りに登場する花台です。

高知は祭りや演劇が盛んだったそうです。
その会場を盛り上げたこうした花台が各神社などに今でも残っていて、夏祭りに登場するというわけです。
夏祭りの会場は朝倉神社や、香美市の八王子宮など馴染みのある場所です。
今夏はその夏祭りに出かけてみようかと思っています。

花台以外に絵馬が展示されていました。
「釜淵双級巴(かまがぶちふたつともて)」と言って石川五右衛門の生涯を24の場面で描いています。

「石川五右衛門を主人公に据えた芝居。石川五右衛門は豊臣秀吉の治政下に実在したことから、秀吉の一代記の読本「絵本太閤記」や人形浄瑠璃で初演された「木下桶狭間合戦」のも登場する。本絵馬は提灯は、元は25枚であったものが第17が欠け、24枚で伝来しており、基本的には「釜淵双級巴」の浄瑠璃本文に忠実であるが、「絵本太平記」の逸話を取り入れたり、読本や芝居にない場面も描かれている。」

香南市のアクトランドが所有しています。


一場面が欠けているとはいえ、これだけの数の絵馬が残っていることは奇跡的なんだそうです。








第3章は「絵金と周辺の絵師たち」として河田小龍たちの作品が展示されていました。

いやぁ、おもしろかったですね。
県内には絵金さんの作品と思われるものが約200点もあり、その中には絵金さんが直接描いたと思われるものや弟子や孫弟子が協力したと思われるものがあるそうです。
その作品が夏祭りを盛り上げるために夜店が並ぶ通りに展示されているというのは聞くだけでワクワクします。


昨年の赤岡町の絵金祭りです。

昨年は一日1万人の人数制限で行われました。
今年はきっと人数制限がなくなるでしょう。




軒下で蝋燭に照らされた絵金さんの屏風はなんとも言えない雰囲気があります。








あべのハルカス美術館での展示は6月18日までです。
上方の空気を吸った絵金さんの作品は土佐の夏祭りに間に合うように帰ってきます。
今年は赤岡の絵金祭りはもちろんですが、近隣の夏祭りにも足を運んでみようと思っています。









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