さようなら 十津川警部
西村京太郎さんの十津川警部シリーズの最終話「土佐くろしお鉄道殺人事件」を読みました。
西村京太郎さんが3月3日に亡くなられました
「十津川警部シリーズ」などたくさんの本を書かれた作家・西村京太郎さん。
3月3日に91才で亡くなられました。
とにかくたくさんの本を書かれています。
600冊以上だそうです。
累計発行部数は2億冊!
偉大な作家でした。
頼もしい十津川警部
よくあるミステリー小説では、無能な警察の捜査をしり目に名探偵が切れ味よく事件を解決します。
西村京太郎さんの「十津川警部シリーズ」は、頼もしい十津川警部を描きました。
地に足のついたミステリーでした。
新しい本が出るたびに追いかけて読むことはありませんでしたが、
読む本に困ったとき、手に取るとはずれのない作家さんでした。
「土佐くろしお鉄道殺人事件」は西村京太郎さんの最後の本
デイリースポーツの記事に次のようにあります。
「昨年末から体調を崩し入院していた西村さんだが、1月には新潮社から「土佐くろしお鉄道殺人事件」を刊行。
同社文芸編集部の公式ツイッターによると、昨年暮れにファクスで入院すること連絡してきたといい、「土佐くろしおの原稿は書き終えていたのでよかったです」と記されていたという。」
西村京太郎さん死去 ミステリーの大家「書き終えて良かった」最後まで自筆で原稿用紙/芸能/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
少しいらだっていた十津川警部
地元のローカル鉄道の名前のついた「土佐くろしお鉄道殺人事件」。
出版日を見ると今年の1月です。
西村さんが亡くなる直前の本ということもあり、手に取りました。
それまでの十津川警部の印象からすると今回の十津川警部は何だかいら立っているようでした。
登場人物に、今の世の中の不条理さを訴えさせています。
(書名は忘れましたが、島田壮司の吉敷竹史シリーズに、裁判所の前で大声でとうとうと冤罪について主張を述べるシーンが出てきました。その場面を思い出しました。)
また、十津川警部は蒲田の小さな町工場の技術に愛情を感じ、感情を移入させます。
今までの十津川警部からは思いもよらない十津川警部です。
物語の切れはいいものではないように思います。
91才の西村京太郎さんが何かを書き残しかった気持ちの表れだと思いました。
神奈川県湯河原町に西村京太郎記念館
コロナが収まれば、一度、訪れてみたいものです。
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