文中で「同志少女よ 敵を撃て」の文字を見た時、あなたは何を感じ、思うのでしょう?

 
「同志少女よ 敵を撃て」(逢坂 冬馬、早川書房)を読みました。
最後、一気に持って行かれました。
この本は2022年本屋大賞を受賞し、世間で評判になっています。
「少女」という言葉に胸をときめかせる年令ではありません。いや、逆に「少女」とついているタイトルに抵抗を覚えますが、独ソ戦争が舞台の小説と聞いて手に取りました。






出版社の早川書房による紹介

評判の本ということでネットで検索するとたくさんの書評がヒットします。
以下は、出版社の早川書房のHAYAKAWA ONLINEにある紹介です。
同志少女よ、敵を撃て | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)
「独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?」

物語の舞台は人類史上最悪の「独ソ戦」

独ソ戦は第2次世界大戦の中でのドイツとソビエト連邦の戦いです。
ウィキペディアによると第2次世界大戦の死者数は5,000万人から8,000万人。
とんでもない数です。
その中で日本が約300万人。当時の人口の約4%に相当します。
ドイツが700万人から900万人。ソビエト連邦が2,100万人から2,800万人!
ドイツとソビエト連邦を合わすと3,000万人からの人が亡くなっています。
物語では、スターリングラードの攻防戦など多くの戦いが描かれ、現代人の感覚では想像できない数の被害が出てきます。
その戦闘での死者数の多さは小説として誇張されたものではなく、事実に基づいていたのです。
この事実を知ると5月9日の戦勝記念日がロシアにとっていかに重要な日か理解できます。

これ以上、私が拙い説明をすることは控えておきます。
興味のある方は、ぜひ、読んでみてください。
途中までは、「これが評判の本?」と思うかもしれません。
でも、最後に一気に持って行かれます。
そして、文中に「同志少女よ 敵を撃て」の文字を見た時、あなたは何を感じ、思うのでしょう。


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