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7月, 2022の投稿を表示しています

富岳三六景 本物を堪能した後パロディでくすっと笑ってきました

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  高知県立美術館で2022年7月22日から8月28日まで北斎展が開催されています。 世界が絶賛した浮世絵師<br> 北斎展 -師とその弟子たち- | イベント情報|株式会社 高知新聞企業(公式ホームページ) (kochi-sk.co.jp) 同美術館で期間が重なるように7月26日から8月21日までしりあがり寿さんの展覧会も開催されています。 展覧会|イベント|高知県立美術館 (moak.jp) しりあがり寿さんの会場には北斎の作品をパロディ化したものが多く展示されています。 7月の暑い日に両展を見てきました。 北斎と言えば富岳三六景が有名です。 今回の北斎展にも富岳36景が展示されていました。 しりあがり寿さんにかかると富岳36景もパロディの題材になるようです。 富岳36景の作品とそのパロディを同じ美術館で見ることができました。 二つの会場とも写真撮影が可能でしたので、ぱちぱちと撮ってきました。 神奈川沖浪裏 北斎の富岳三六景と言えば真っ先に思い出される作品が「神奈川沖浪裏」ではないでしょうか。 ダイナミックな波頭の描写が印象的です。波の間に翻弄される小舟にしがみつくように描かれた人との対比で波の大きさが分かります。 その奥の下の方に静かに置かれた富岳が画面をぐっと引き締めています。 それをしりあがり寿さんの手にかかると、あれあれ、富岳が高い波に飲み込まれようとしています。 日本沈没の絵になってしまいました。 富岳の場所をちょっとずらしただけでこんな作品になるとは驚きでした。 富岳三六景 甲州石班沢 富岳三六景の甲州石班沢です。 岩の上に乗り投網を引き絞る漁師の姿が印象的です。 左下からの岩と頂点の漁師と右下に向かう投網で構成される形が後景の富岳との相似形になっています。 緊張感のある石班沢の絵が、しりあがり寿さんにかかると思わず吹き出す絵に変身しました。 北斎の絵では漁師のそばに蹲っていたこどもが、投網を打つためにつきだす格好になった漁師のお尻に「カンチョー」をしています。 思わず会場で吹き出しました。 富岳三六景 尾州不二見原 職人が作る大きな桶とその奥に小さく見える富岳。 中央に大きく桶が円く描かれていて、桶の中の職人と富岳に目が吸い寄せられます。 よくもまあこんな構図を考えたものだと思います。 また、会場では、桶職人の描写を間近で見ることができ

砂原浩太郎さんの『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』を読みました

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  砂原浩太郎さんの「高瀬庄左衛門御留書」を読みました。 この作家さんは初めての作家さんでした。 何気なく手に取った本でした。 話の展開も私の興味に、文体も私のリズムにあいすらすらと読み進めることができました。 リタイヤ生活者の読書 リタイヤ生活者は時間の束縛もありません。 束縛がない代わりに、生活のリズムを自分で作り、守っていくことが日々の生活を充実させたものになると思っています。 私は20時には寝床に入ります。 そのまま、途中でトイレに行くことはあっても、朝の6時までぐっすり。 一晩10時間ほど眠ります。 午前中に家庭菜園を済ませ、午後は読書です。 我が家の周りは田園地帯が広がっています。 緑の上を吹き渡ってくる風が気持ちよく、夏でもエアコン不要です。 この季節は廊下の籐椅子にごろっと横になって本を広げます。 この廊下の先の押し入れは、来客用の夏冬の座布団を入れているだけのなので廊下をふさいでも日常の生活に支障はありません。 いい風に吹かれ、周りから車の音が聞こえることもなく、読書に最高の環境です。 でも、セミの音に浸り活字を追っていると、午前中の畑仕事の快い疲れもあり、眠くなることもあります。 その時は、無理に読書を続けることなく、目の上に小さなタオルをかけ、1時間ほどうとうと。 一冊の本を読み終えるのに時には1週間を要することもあります。 中には、最後まで読まずに途中で放り出すこともありますけどね。 でも、今回の砂原浩太郎さんの本は昼寝を忘れ、一気に読むことができました。 砂原浩太郎さん 私は砂原浩太郎さんという作家を存じ上げませんでした。 改めてネットで検索すると実力、実績のある作家さんでした。 以下、Wikipediaからの抜粋です。 砂原浩太朗 (すなはらこうたろう、1969年- ) は、日本の小説家。兵庫県生まれ。 略歴 早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集者・校正者になる。 2016年に『いのちがけ』で第2回決戦!小説大賞を受賞し、作家デビュー。 2021年に『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞、第15回舟橋聖一文学賞を受賞。第165回直木三十五賞と第34回山本周五郎賞の候補に選ばれる。 2022年に『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。 以上、抜粋終わり。 私の読んだ『高

絵金 あべのハルカスに参上す

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幕末の土佐の絵師・金蔵。通称 絵金。 おどろおどろしい屏風絵が印象的です。 その絵金の屏風絵が来年、あべのハルカスに行くことになりました。 期間は2023年4月22日(土)から6月18日までです。 1970年前後には大きなブームとなりましたが、この半世紀ほど高知県外での大規模な展覧会は開催されていません。 高知の絵金祭りは遠いし、時間が合わない、という方は是非、この機会にご覧ください。

3年ぶりの絵金さん 次は25年後に会いましょう

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  3年ぶりに絵金祭り(香南市赤岡町)が開催されました。 幕末の絵師・金蔵。略して絵金。 絵金が残したおどろおどろしい芝居絵屏風を軒先に飾り、ローソクの明かりで観賞する絵金祭り。 コロナ禍で、人数制限(一日1,000人)や路上での飲食、アルコール類の提供を制限しての開催でした。 日暮れ前の赤岡の町をそぞろ歩き この日の日没は19:16。 早めに着いたので赤岡の町をぶらつきました。 赤岡には面白いお店があります。 今日はアルコールの販売がないと思っていましたが、店内ではいいようです。 レトロな雰囲気のお店に入り、コロナビールをグビッ。 帽子に挟んでいるのは今日の入場証です。 19時になると軒先に絵が出てきます 暗くなり始めた19時に「保存会の皆さん、絵を出してください」と町内放送がありました。 祭り会場は旧道沿いの商店街です。 ぼんぼりが灯り祭りの雰囲気を盛り上げます。 今までなら大勢の客でごった返すのですが、今日は人数制限のおかげで人と人の間にスペースがあります。 絵金が赤岡に滞在中、お礼として絵を残したため、現存の多くの芝居絵屏風は個人が所有しています。 個人が所有している絵屏風を、年に一度、軒先に出して公開してくれます。 また、その絵屏風をローソクで照らし出すのでおどろおどろしい絵の雰囲気が際立ってきます。 来場者は興味津津で覗き込みます。 普段、本物をこれほど近くで、また、ローソクの明かりで観賞することはできませんからね。 地元の方の説明も絵金祭りの見どころの一つです ローソクの明かりで浮かび上がった絵屏風を所有者、保存会のメンバーが説明してくれます。 絵金の絵は、時や場所が異なる場面を一枚の絵の中に描きこんでいる絵が多くあります。 見ただけでは、ただ、おどろおどろしいだけです。 説明を聞くと、どうした場面か、どんなストーリーを描いているのか理解できます。 今年はマイクを使っての説明もありました。 コロナの感染防止で、大きな声での説明を避けるためだそうです。 手元の資料をときどき見ながら、説明してくれた女性もいました。 説明デビューなのでしょうか。 初々しい説明が終わると、観客から拍手が起こりました。 修復を終えた絵屏風は”きれい”になりすぎているように思います 幕末の作品ですから、傷みも出てきます。 数年前からの修復作業が終了しました。 軒先で聞くと「1件3

温泉で火照った体に沢を伝う風とビールが気持ちいいうまじ温泉

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  今回もアルバイトのついでに、高知県馬路村にあるうまじ温泉に行きました。 国道55号線から北に入ること約20㎞。 私が前回行ったのはもう40年近く前のこと。 国道から随分と北に入るように思っていましたが、今回は割と早く着きました。 地元の方に聞くと、「道が良くなりましたから。」とのこと。 周りからは渓流のせせらぎ、野鳥やカジカカエルの鳴き声が聞こえのんびり過ごすことができました。 何はさておき温泉に入ります 今日ははやめにチェックインすることができました。 部屋でゴロゴロなんてもったいない。 早速温泉に浸かりに行きました。 遊び心溢れる男湯の入り口です。 忍者風に見えますが、別に忍者の里というわけではありません。 泉質はナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉だそうです。 温泉らしくぬるぬるとしています。 少しつかるとぽかぽかとしてきます。 渓流沿いの壁には龍の絵が描かれています。 2020年1月菜々子の署名のように見えます。 従業員さんに聞いても詳細は分かりませんでした。 渓流沿いのテラスでビール 夕食まで渓流沿いのテラスでビールを飲んで過ごしました。 温泉で火照った体に渓流を吹く風の気持ちのいいこと。 渓流の音とウグイス、ホトトギス更にカジカカエルの鳴き声も聞こえます。 いい雰囲気の中で飲むビールはまた格別です。 ビールをもう一本、と行きたいところですが、ここはこの一本で押さえておきましょう。 さぁ、夕食です アメゴとこんにゃくの刺身。 お山らしい! アメゴの刺身はめったに口にすることはありません。 淡白なお味です。 こんにゃくは奥のヌタでいただきました。 次は安田川で獲れた天然のアユの塩焼き。 頭をとってそのままガブリ。 骨も柔らかく食べることができました。 ? 今の時期、仁淀川のアユはもう骨が硬く、そのまま食べるには躊躇します。 なぜ? 聞いてみると、次のように答えてくれました。 「安田川は川自体が小さく、アユもまだ小さい。 骨が硬くなるのは8月になってからです。 だから、安田川の今のアユは骨ごと食べることができるのです。 骨の違いだけでなく、味そのものも安田川の方がおいしいと思いますよ。」 激しくなっとく。 ビールに続いて、竹酒。 キンキンに冷やした竹筒に冷酒を入れています。 おちょこの竹も大きい。 冷たいお酒がくいくいっと入っていきます。 いい気分、いい気分!

高知で旨いマグロを食べることができるのか?

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 アルバイトの2泊目はホテル奈半利に泊まりました。 高知はカツオ文化です。 高知のカツオはなぜおいしいのか? (taichanretiredlife.blogspot.com) 高知の食べ物は何を食べてもおいしいのですが、マグロだけはいただけません。 マグロは関東で食べるとおいしいですね。 その高知にあって、マグロを売りにするホテルがあります。 それがホテル奈半利です。 ごめんなはり線の終点の奈半利町にあるホテルです。 高知で納得できるマグロを食べることができるのか? もし、それが可能ならごめんなはり線でマグロを食べに行くことが、選択肢に加わります! ホテル奈半利のマグロはどんなもんだい? 確認のために宿泊しました。 なぜ奈半利でマグロ? 高知県の遠洋漁業が盛んだったころ、遠洋漁船のドックが奈半利にありました。 奈半利に名物を!との思いで、造船会社の関係者の方が漁船のオーナーに掛け合って扱うことができるようになったそうです。 いまでは、豊洲との関係もでき、そちらからも仕入れているそうです。 これは期待できそうです。 マグロ御膳 夕食にマグロ御膳がセットになった1泊2食のプランです。 夕食会場は1階の食堂です。 テーブルに着くとお品書きがありました。 これは期待できそうです。 ビールを舌を湿しながら待っていると来ました。 大きなお膳にお料理が乗っています。 御膳だから、お膳に乗っているのか。 私は一品ずつ出てくることを期待していたので、ちょっと期待外れ。 それはいいとして、マグロは? お膳を見渡すと、真ん中のお刺身とその左の皮と右端の陶板の上に見えているのがどうもマグロのようです。 マグロの海に溺れることを期待していましたが、大きく外しました。 マグロの刺身を頂きます。 奥の中トロはいいお味でした。 後は大したことありません。 皮も陶板も大したことありません。 なはり御膳にすればよかった 私が頂いたマグロ御膳は4,200円です。 その上のなはり御膳は6,000円です。 チェックインの時に、そのことを知り、なはり御膳への変更をお願いしました。 しかし、仕込みが終わっているとのことで、変更ができませんでした。 なはり御膳ならマグロの海を見ることができたかもしれません。 悔いが残ります。 では、改めて確かめに行くか、と言われると、ま、もういいか。 やっぱりサンマは目黒、マグ

室戸に泊まり、お遍路文化を継承するにはお宿を守ることも大切だと思った話

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  初めて室戸に泊まりました。 お宿はお遍路さんも多く利用しているホテル富士。 どの業界も業種も後継者問題は深刻です。 お遍路さんが泊るこうしたお宿もたぶん、同じだと思います。 お遍路文化を継承するためには、こうしたお宿を守ることも同時に考えていく必要があると思いました。 年間10日ほどアルバイトで高知県内あちこちに行っています リタイヤ生活で晴耕雨読の生活です。 年間10日ほどアルバイトで高知県内のあちこちを訪問しています。 この日は室戸に出かけました。 高知県に住んで60数年。 いままで室戸に泊まったことはありません。 今回は、アルバイトとは言え仕事で来て、また、多くはありませんが宿泊費もあります。 室戸で泊まってみました。 お宿はホテル富士 ホテル富士は楽天トラベルで予約しました。 ホテル冨士<高知県> 宿泊予約【楽天トラベル】 (rakuten.co.jp) 室戸港のすぐ近くにあります。 料亭花月などのある通りに面しています。 建物、部屋は少々古い感は否めません。 部屋は和室です。 タバコの匂いがせず、ウォッシュレットトイレがあれば少々古くても和室でもOKです。 大きな建物でお遍路さんなどたくさんの人が利用していた往時が偲ばれます 廊下が奥まで伸びています。 部屋も沢山あります。 部屋に風呂は付いていません。 共同風呂です。 洗濯機や乾燥機がたくさん並んでいます。 お遍路さんや、近くの工事現場で働く人たちが泊った際、利用するのでしょう。 洗濯機の横には「代金はかごの中に入れてください」と張り紙があり、蓋のないかごを置いています。 泊まる人たちがどんな人たちか、お宿のご主人がどんな人なのかよくわかります。 この日の宿泊客は10名もいませんでした。 春と秋のお遍路さんシーズンや、大きな工事があった時などは沢山のお客さんが利用したことでしょう。 1泊2食付き 今回は1泊2食付きのプランです。 夕食は1階の食堂。 私一人分のお料理です。 お刺身、タタキ、ウルメ焼き、貝にサラダ、ナスの煮物、キュウリの酢の物、香の物にご飯、お汁です。 この日は台風の影響で漁はなかったはずですが、いいお刺身でした。 歩き疲れて宿に着き、風呂に入って料理と般若湯を頂いて明日に備える。 高級な食材を使った料理ではありませんが、質も量も十分だと思います。 お遍路文化継承とお宿 四国88ケ所を歩