あたご劇場で「小さなパリのオーケストラ」を観てきました

あたご劇場で「パリの小さなオーケストラ」を観てきました。













あたご劇場



あたご劇場は高知市内の繁華街から離れた場所に立つ映画館です。
私が高校生の頃はエッチな映画が中心でした。
「あたご劇場」と聞くとドキッとしたものです。
最近ではエッチ系の映画ではなくいい映画を掛けています。
今日は「パリの小さなオーケストラ」を観てきました。





パリの小さなオーケストラ


予告編です。

移民の女の子がオーケストラの指揮者を目指す物語です。
オーケストラの指揮者と言えば裕福な白人で男性が当たり前でした。
人種差別、性差別、階級の壁にぶつかります。
悩みながら夢を追いかけます。
大きなオーケストラの指揮者が無理なら自分のオーケストラを持ちたい。
とんでもない夢のように思われました。
決してエリートではない演奏家、いや市井の音楽に興味を持つ素人が集まります。
くじけそうになる主人公を仲間たちが力づけます。

若い人たちが夢を持ち立ち向かっていく姿、仲間たちの笑顔が素敵なことを改めて感じました。
いや、夢に立ち向かっていく姿や笑顔が素敵なのは年代に関係ありませんね。

劇中で多くのクラシック音楽の演奏があります。
ボレロ/ラヴェル
夢のあとに/フォーレ
七重奏曲 変ホ長調 作品20/ベートーヴェン
アルルの女第2組曲 第4曲:ファランドール/ビゼー
交響曲第9番「新世界より」ホ短調 作品95/ドヴォルザーク
交響曲第7番 イ長調 作品92/ベートーヴェン
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007/バッハ
『ロメオとジュリエット』作品64「騎士たちの踊り」/プロコフィエフ
交響曲第5番 変ロ長調 /シューベルト
ピアノ・ソナタ第14番「月光」嬰ハ短調 作品27/ベートーヴェン
ディベルティメント 変ロ長調 /ハイドン
チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33/サン=サーンス
『アルルの女』第1組曲第4曲「鐘(カリヨン)」/ビゼー
交響詩「死の舞踏」作品40/サン=サーンス
交響曲第1番 ハ長調 作品21 /ベートーヴェン
『サムソンとデリラ』 作品47「バッカナール」/サン=サーンス
『魔笛』「これはなんと素晴らしい響き」/モーツァルト
交響曲第102番 変ロ長調/ハイドン
私はクラシック音楽に詳しくありませんが、聞き覚えのある旋律が心地よく感じました。
この中でも劇の最後の「ボレロ」は良かったですね。

主人公と双子の妹はもちろんのこと他の登場人物も良かったですね。

指揮者としての師匠の「チェリビダッケ役」のニエル・アレストピュロ。
若い女性の指導に戸惑いながら言葉を紡ぐ姿に後輩を導く年長者の苦悩を見ることができました。
この師匠に出会うことがなければ彼女たちの夢はかなうことはなかったでしょう。
「人生は出会いだ」です。





双子姉妹の両親と弟。
決して裕福ではなくても家族に対する愛が溢れる家族でした。

コーヒーを持って入りたかったので劇場の前のコンビニでコーヒーを買いました。
レジの若い女性に「あたご劇場で映画を観るときに持って入りたいからコーヒーを買った」というと「え!あそこは映画を観ることができるんですか?」と驚いていました。
若い人達は映画と言えばシネコンなのでしょうね。
映画の最盛期には高知県に映画館が約140館もありました。
いまでも残っている映画館はあたご劇場と大心劇場です。
あたご劇場は一時は経営のために(多分)不本意な映画を掛けていました。
いまは、館主が観てもらいたいと思う映画を掛けているように思います。
確かに外観も館内もおしゃれではありません。
でも、こうした映画館で映画を観る楽しみも知ってもらいたいものです。


コメント

このブログの人気の投稿

野市に”とばし”が戻ってきました

谷中から不忍の池までぶらり散歩

トラとハナ(5) 秋風と共に寂しくなってしまいました