ミニチュアライフ展2と田中達也トークショー

ミニチュア写真家であり見立て作家の田中達也さんのミニチュアライフ展2が高知県立美術館でスタートしました。
早速、観に行ってきました。
そして、田中達也さんのトークショーにも参加することができました。





早速、作品を見て行きましょう。
会場入ってすぐにある作品です。
トイレのカバーを白銀の斜面に見立てています。
その上を登山者がパーティを組んで上っています。
作品名は「TOTOここまで来たか」
なるほど。



白米を湧き上がる雲に見立てています。
その雲間を飛ぶ飛行機によって雲の大きさ、立体感を表しています。

作品名は「ハブ ア ライス トリップ!」

「ナイス」ではなく「ライス」となっています。


キウイの断面を小さい切れのたんぼに見立てています。
キウイの断面を並べることで棚田を、丸いキウイで里山を表しています。

キウイを割った時のみずみずしさが浮かんでくる作品でした。

作品名を控えるのを忘れました。

ジーパンの生地を大波に見立てサーファーがその間を気持ちよさそうに波に乗っています。








会場には作品・写真を合わせ170点が展示されています。
全部を紹介するわけにもいきません。
興味のある方は会場に足を運んでください。
最後に高知のご当地作品を紹介します。

作品名は「カツオ浜」。
月の名所のかつら浜をもじっています。
「なんだ砂にカツオが埋まってカツオ浜か」とスルーしました。
その後で田中達也さんのトークショーを聞き、慌てて再度会場に行きました。





低いアングルから見ると「あ!海だ!」
かつおの縞が打ち寄せる波に見えます!

見る角度によってこれほど変わるとは驚きでした。

砂浜に立っているのは坂本龍馬と土佐犬だそうです。



田中達也さんトークショー

ミニチュアライフ展2開幕当日にトークショーが開催され、聴講することができました。
簡単なメモを作っています。
トークショーの間は写真も録音もだめです。
でも、話始めにフォトタイムを設けてくれました。
田中さんはこんな方です。







1.田中達也さん自己紹介

(1)1981年熊本県生まれ 現在は鹿児島県に住む

(2)家族は奥さんと男の二人(小5、小2) まだ一緒に遊んでくれる

(3)職業はミニチュア写真家、見立て作家

a.「見立て作家」は自分で作った職業名。

 

2.毎日、作品をネットに上げている。

(1)ミニチュアカレンダー      MINIATURE CALENDAR (miniature-calendar.com)

a.20114月から毎朝、カレンダーのその日を埋める作品を上げ続け、13年、5,000作品以上。

(2)SNSでは毎朝7時に作品を上げている。

a.Xは言語の制約もあり日本人が多い。インスタは画像がメインで380万人フォロアーの7割が海外。FBも。

 

3.「見立て」は限られた条件の中で工夫する表現。

(1)海外ではこの概念が珍しいか、ない。

a.ドバイ万博の日本館でミニチュア展を開催。世界中の人が知っているもの(例えば歯ブラシ)などを使って日本的なものを表現。金メダルと取ったが日本では報じられなかった。

(2)日本では汎用性の高い表現であり、身近なもの。

a.枯山水の庭園は、砂で海を岩で島を表す。

b.月見そばは卵の黄身を月に見立てる。

c.落語の扇子はキセルや筆に、手拭いは財布などいろいろなものに見立てる。

(3)子供の遊び、おもちゃは見立てが多い。

a.横断歩道でさえ、落ちないように歩く、など見立てて遊ぶ。

b.畳のヘリを道路に見立てミニカーを走らせる。

c.積み木は見立てがなければ成り立たない遊び。

(4)タイトルは駄洒落。ダジャレも言葉の見立て。

(5)アイデアは形を簡略化することで広がる。

a.山→三角形→三角形のものを探す 積み木の三角、おにぎりと広がっていく

 

4.アイデアはモノを見た時に生まれる。

(1)100均やホームセンターの陳列棚を見て回っているときにアイデアが生まれることが多い。

(2)自宅アトリエも壁に陳列棚を作り、あらゆるものを見えるようにしている。

a.部屋も廊下もトイレにも陳列棚がある。家族からは不評。

(3)埋らせると忘れる。

 

5.自宅アトリエには5万体の人形がある。

(1)人形は立った姿、座った姿など多様。警察官の人形であればそれぞれのポーズごとに区分して保管。

(2)戻すべきところに戻さないと、二度と日の目を見ない。

 

6.人形の7割は市販品。3割は3Dプリンターで作る。

(1)3Dプリンターはデータさえあればサイズを自由に作ることができる。

(2)自分自身のデータは360度のカメラで取得。

(3)家具などはデータを売っている。一度、権利を買うと自由に使うことができる。

 

7.会場では撮影は自由

(1)自分自身で撮影するといい写真を撮りたくてアングルや照明を工夫するなど真剣に作品に取り組んでくれる。

(2)見学者がネットに画像を上げてくれるので、鹿児島のアトリエにいながら会場の作品の状態、例えば傾いている作品があるなど、を知ることができる。

 

8.見立てを意識すると日常が楽しくなる



いやぁ、おもしろかったですね。
それにしてもトークショーの参加者約50名のうち、男性はちらほらでほとんどが女性でした。
トークショー後、質疑応答で手を挙げたのは女性2人でした。
小さい頃、プラモデルに夢中になったのは男の子でした。
なぜ、見立てには女性がこんなに興味を持つのか、不思議でした。


田中さんのミニチュアライフ展が高知で開催されるのは2回目です。
もちろん、1回目も観に行き、トークショーにも参加しました。
3回目、4回目を楽しみにしています。





















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