苦学生を否定する社会
半世紀以上にわたる大学授業料の変遷をさぐる(2022年公開版)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b1edcc92ccb7b1acb140cb834d741dafe0489a3c
このグラフは大学授業料の推移です。
国立大学も私立大学(文系、理系)とも右肩上がりで高くなっています。
比較すると受領量の負担の少ない国立大学の授業料値上げが話題に上っています。
今、国立大学の授業料は50数万円だそうです。
大学が一人の学生に十分な教育、研究環境を整えるに必要な経費は300万円とも聞きます。50数万円の授業料で300万円に相当する教育、研究環境を得られるのであれば随分とお得な感がします。
もう40年以上も前の助手の先生の話
大学の授業料と言えば思い出すことがあります。
私が大学に入った時の話です。
助手の先生との雑談の中で授業料の話になりました。
私の授業料が年間9万6千円だというと、その助手の先生が大いに驚き次のようなことをおっしゃいました。
自分(その先生)が学生の頃には授業料が年間1万2千円だった。
半期で6千円、月にすれば千円。
春休みと夏休みに何日か土方仕事をして半期分の授業料を準備した。
寮に住み、家庭教師をいくつか掛け持ちすれば月々の生活ができた。
しかし、今や年間9万6千円。学生が自分で生活しながらそれだけの金額を準備しようとすることは事実上無理だ。
もう、苦学生という言葉は死語になるね。
年間の授業料が1万2千万円、9万6千円の時代の話です。
苦学生を否定する社会
今では国立大学の授業料の標準額は年53万5800円(文部省省令)と50万円を超えています。月額に直すと4~5万円です。
とても学生が生活費とは別に工面できるような金額ではありません。
親の資金力が進学の可能性を左右します。
苦学生を否定する社会です。
奨学金で多額の借金を背負って社会に出す若者
私の長男は県外の私立大学の理系学部に進学しました。
授業料は年間150万円ほどでした。
授業料の納入時期たびに準備ができたとホッとしたものです。
長男の友人は生活費は親御さんが見てくれるが、授業料は自分で手当てしなければなりませんでした。
奨学金の最高額である月額10万円をもらい、春や夏の長期休暇でアルバイトをして年間150万円の授業料を工面していました。
卒業時には約500万円の返済義務を負うことになります。
その話を聞いて、なんと厳しいんだろうと声がありませんでした。
貸与型ではない給付型の奨学金の必要性を感じます。
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