のいち動物公園で、アサギマダラにマーキングをしてきました

 

のいち動物公園でアサギマダラにマーキングをしてきました。

旅する蝶 アサギマダラ

アサギマダラは旅をする蝶として有名です。
        渡り蝶“アサギマダラ”情報 | 赤城自然園 (akagishizenen.jp)
その移動距離は1,000kmとも2,000kmもいわれています。



















この図はのいち動物公園の科学館にある図です。
のいち動物公園で捕獲したアサギマダラがどこから飛来したのか(青い線、青字)、あるいは、のいち動物公園でマーキングした蝶がどこで次に捕獲されたのか(赤い線、赤字)を示しています。緑の線、緑字は高知県でマーキングした個体が確認された場所を示しています。
740㎞も離れた福島県から来たアサギマダラがここのいち動物公園で確認されています!
そして、のいち動物公園でマーキングした個体が680kmも離れた喜界島で確認されています!
740!+680!=1,420km!!
更に、高知県内でマーキングした個体となると、1,750kmも離れた台湾で、更に2,280kmのかなたの香港で発見されています。
なんという移動距離でしょう。
私たちの目の前のアサギマダラはどこから来て、どこに向かうのか?
それを知る手掛かりになるのがマーキングです。


そして、フジバカマにはアサギマダラのオスが集まってきます

アサギマダラのオスは特定の植物に集まってくることが知られています。
その一つがフジバカマです。
ですから、フジバカマを育てると、アサギマダラが旅の途中に立ち寄ってくれ、マーキングがしやすいとなります。

        フジバカマの仲間 ~アサギマダラを呼ぶ植物~ | WEB BOSCO (akatsuka.gr.jp)


10月の3連休の最終日ののいち動物公園

朝晩は肌寒く感じられる10月の3連休の最終日。
明け方、雨がぱらつきました。
雨は上がりましたが、曇り空です。
アサギマダラは沢山、来ていてくれているでしょうか。
アサギマダラの観測場所です。
ほぼ1年をかけて、土壌改良し、フジバカマを植え、施肥、草刈りなどをしてきました。
1年間の成果のフジバカマの花が沢山咲いています。
昨日は沢山のアサギマダラが飛来していたそうです。
でも、今日は朝の雨で濡れているためかほとんど飛来してきません。


フジバカマの花です。
小さな花が沢山咲いています。

こんなに咲いているのに、アサギマダラは何をしているのでしょう。




やっと飛来したアサギマダラを捕獲し、マーキング


やっとアサギマダラがフジバカマに飛来したきました。
早速捕獲し、雌雄の別を判別し、前翅の長さを採寸し、記録します。

次いで、マーキングを行います。
捕獲した月日、場所、そしてマーキングした人を認識できるようにイニシャルを羽根の白い部分に記入します。
記入には油性のマジック(細字)を使います。
体力を消耗させないよう素早くマーキング作業を行って、放蝶します。
放り投げるのではなく、フジバカマの花にとまらせます。
でも、この個体は何だか元気がありません。
手のひらの上でピクリともしません。
マーキングの際、力が入りすぎてしまったか!と心配になってくる頃、少しずつ動き始めました。
無事、放蝶ができました。
あぁ、ホッとした。


フジバカマに飛来したアサギマダラをパチリ

このアサギマダラはマーキング済みの個体です。
日付は昨日(10月9日)、場所はのいち動物公園。
つまり、昨日、この場所でマーキングした個体がまだとどまっているようです。
1個所で1日か2日の滞在だそうです。
マーキングして3日目の個体はまず見ないとのことでした。




マーキングされた個体が別の場所で捕獲されると、移動距離、速度が分かります。
私たちがマーキングできる個体は一日にせいぜい数10頭。
アサギマダラの個体数全体から見ればごく僅かです。
多くの方、団体が参加すれば、マーキングできる割合も高くなります。
アサギマダラの生態に触れることができる楽しい活動です。




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