南大東島に行ってきました

 
私は離島の旅が好きです。
今までも石垣島をベースにアイランドホッピングの旅、対馬・壱岐の旅、五島列島の旅を楽しんできました。
今回は島好きなら誰しもが知っている南大東島、北大東島を訪問することができました。
まずは南大東島訪問記です。
左の写真は飛行機から見た南大東島です。
全島サトウキビ畑の島です。


南大東島


南北両大東島は8㎞ほどしか離れていません。
両島は沖縄の東方約360㎞に浮かんでいます。
沖縄から石垣島に連なるような島群ではなくぽつんと浮かんでいます。

周囲は2000ⅿの深さがあり、2島はその海底からいきなり立ち上がっています。
隆起環礁の島です。
火山性の隆起で海面近くにあった時にサンゴ礁が発達しました。
そして海面に顔を出し、島となりました。
石灰質であり鍾乳洞があります。
また、島は起伏がほとんどありません。

大東島に行くには空路と海路があります。
空路は一日2往復、那覇空港からRAC(琉球エアコミューター、JAL系)で約1時間です。
海路はこれも那覇港から週に1,2便、約13時間です。
この海路での上陸風景がまた独特です。
私はその上陸風景を北大東島で観ることができました。
北大東島編で紹介します。

歴史も独特です。
島の存在自体は昔から知られていました。
本格的な開発が行われたのは1900年です。
八丈島から渡り、サトウキビの生産を始めました。
そうした経緯から島には政府の関与がなく、製糖会社が”統治”していました。
政府による警察組織もなく、これも会社が担っていました。
金券まで発行していたというから驚きです。

事前の学習でそんな独特の島とは理解していたはずですが、実際に行ってみると想像とは違っていました。

さ、南大東島に出発です


南大東島への第1便は朝の8時出発です。
那覇空港の28番ゲートです。
バスで搭乗機まで移動。
機体はボンバルディアです。

この日は月曜日でした。
週初めに「出張」する工事関係者が多く満席でした。
南大東空港への着陸です。
搭乗機を降り、空港ターミナルへは歩いて移動です。
預けた手荷物の受け取り風景です。
テーブルは回りません。
地上係員がテーブルに載せてくれます。








お宿はホテルよしざとです


空港まで出迎えてくれました。
島のホテルは数少ないので選択の余地はありません。
ここでレンタカーを借りて島内を巡ります。







南大東島と言えば台風


南大東島は沖縄の東方360㎞にあることから気象観測の重要なポイントです。
また、台風もよく通ります。
数年前、南大東島から台風接近の中継を放送していました。
人通りのない街の中心地と思われる交差点から記者が暴風雨に耐えながら中継していました。
その時「あ、ここに行きたい!」と思ったことが大東島訪問を後押ししました。
今回行ってみると、泊ったホテルよしざとのすぐ近くの交差点でした。
跡で散策して分かったのですがこの交差点周辺には居酒屋、カラオケスナックが立ち並んでる場所でした。
交差点にある案内図です。
何の案内かと言うと飲食店の案内です。
お店の名前がずらっと並んでいます。


















とにかくサトウキビ畑が広がっています

開拓の目的がサトウキビの栽培です。
それ以前に人は住んでいませんでした。
後に個人所有も認められましたが、土地も会社のものでした。
ですから、とにかく全島をサトウキビ収穫のために使い切っています。

この風景は日の丸山展望台からの風景です。
昔、軍隊が日の丸を掲げていたので日の丸山というそうですが、とても山ではありません。
建物の2階に上がるような高さです。
その山の上に展望台があります。
その蔵の高さですがそれでも周囲を見渡すことができます。
このようにとにかくサトウキビ畑が広がっています。

星野洞



南大東島は石灰質であり、いたるところに鍾乳洞があるそうです。
その中の一つが星野洞です。

受付はお昼休みに無人になり、入洞できなくなります。

受付の女性はフィリピンの方でした。
サトウキビの収穫時期にはフィリピンや台湾からも出稼ぎに来ていたようです。
そのまま島に残った人も多いようです。

受付で1,000円を払って入洞です。
地下には大きな鍾乳洞が広がっていました。
高知にも龍河洞という鍾乳洞があります。
龍河洞は細長い洞ですが、星野洞は広い空間が広がっていて、奥行きもあります。
正直、これほどの規模の鍾乳洞とは思っていませんでした。

でて、感想を受付の女性に話すととても喜んでいました。




南大東漁港


隆起環礁の島であり、周囲は断崖絶壁です。
漁船もクレーンで上げ下げして出漁、帰港していたようです。
漁民の皆さんの希望が叶い立派な漁港ができました。
ここにはフェリーが入ることができません。
この工事費を考えると南大東島の漁業にそれだけの価値があるのかと疑問に感じます。


フェリーから荷揚げをする岸壁です。
島に3ケ所あります。
着岸はできません。
岸壁のクレーンで吊り上げます。
その状況は北大東島編でご紹介します。






バリバリ岩

南大東島ははるか南で誕生したそうです。
4800万年をかけ3000㎞を移動し、今の位置に辿り着きました。
今でも沖縄の方に向かって年間5㎝ほど移動しているそうです。
そんな力が加わって「バリバリ」と裂けた岩だそうです。
















可倒式風力発電装置


地図上で「可倒式風力発電装置」とありました。
「? 可倒式?」

実際に行ってみると「あ、倒れる!」

南大東島は台風の通り道で強風が吹きます。









近くに説明パネルがありました。
文字が小さいので読みにくいでしょうが、要は「強風に耐えるのではなく強風を避ける」のだそうです。

それにしても塔の上に重い発電機を乗っけて長い塔を倒したり、起こしたりするのは大変だと思います。
強風の時に島にいれば是非、見てみたいものです。



南の島の飲み屋街


小さな島ですが飲み屋街があります。
台風中継の交差点周辺に集まっています。

サトウキビの繁忙期には沖縄だけでなく台湾やフィリピンからも働きに来ていたそうです。
夜の社交場が発達したんですね。
居酒屋だけでなくスナックもあります。
ホテルの夕食でビールを一杯飲んで、の見直しに出かけました。
ホテルのすぐ裏の居酒屋「ちょうちん」です。


カウンターに座り、刺身の盛り合わせとサトウキビから作ったラム酒「コルコル」を頂きました。
二品目は「なわきりのバター炒め」です。

歯が鋭く縄も食いちぎるから「なわきり」です。
刺身でも食べることができるそうですが、この日は刺身はありませんでした。




店の中では島の人たちで満席でどの席も盛り上がっていました。

カウンターの隣にいた人たちは三々五々、次のお目当ての店に出かけていきました。






八丈太鼓


ホテルのロビーに「無形文化財 八丈太鼓」のフィギュアがありました。
フロントで聞いてみると「入植した八丈島の文化を今でも継承している。子供たちが太鼓を習っている。」とのことでした。

島民は八丈島系、沖縄系、台湾系(みかけっではわかりません)、フィリピン系の人たちがいます。
沖縄県ですがシーサーのいる家もあれば、いない家もあります。  


事前に資料を調べていったのですが、事前の印象とは違っていました。
石垣島周辺の離島は古い家屋があり、歴史を感じます。
南大東島は1900年に入植したので2025年で125年の歴史しかありません。
全島サトウキビのプランテーションでとても効率よく耕地化しています。
それが何だか離島感が薄いように感じました。
でも、夜になり飲み屋街の賑わいを見ると、125年の歴史、積み上げてきた風土を感じることができました。
南大東島は飲み屋街を感じての旅だと思いました。



















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