晩酌をする猫

晴耕雨読なんて無理無理。 殺人的な暑さです。 陽ざしは肌をびりびりと焦がし痛いほどです。 お日様が上がってくると早々に屋内に退散です。 風通しがあって過ごしやすいところに籐リクライニングチェアを置き、横になって本を読んで過ごします。 涼しいところはネコたちも知っています。 近くに集まってきて思い思いのところで横になり、へそ天のしどけない姿で気持ちよさそうに寝ています。 私と言えば本を読んでいるとうとうととしてしまいます。 気持ちのいい時間です。 外の物音で覚醒し、周りを見ると猫たちの中に混じって同じような格好で夏の昼寝を楽しんでいた自分に気付きます。 枕元に本がなければ見分けがつきません。 「起きたけど寝るまで特に用もなし」(吉村明宏さんのシルバー川柳) 簡単な昼食を済ませると特に用もなく、また横になって本を読みます。 ネコたちも一緒です。そして、うとうととします。 「寝る子」が猫の語源であるという説が最も有力だとされるほどネコは昼も夜もよく寝ます。 私も昼も夜もよく寝ます。 昼寝をしても夜に眠れないことはありません。 なんだネコと一緒じゃん。 ネコとの違いは何だろう? 夕方になるといつまでも寝ているわけにはいきません。 本格的に寝る準備に入ります。 適当なつまみを作って晩酌をします。 ネコたちも起きて来てキャットフードをカリカリと食べて水を飲みます。 刺身なんかあげようものならむしゃぶりついています。 でも、ビールは飲みません。 あ、そうか。違いは晩酌か。 吾輩は晩酌をする猫である。